教えて清水弁護士! 第2回 「フリー素材化した画像なら使い放題ですかね?」

ワクストでは昨年からネットトラブルに詳しい清水陽平弁護士にあれやこれやをご相談させてもらっています。
ワクスト:11月から性器周りの画像掲載に関するルールを厳格化しましたが、厳密にやりすぎるのもアレかな、と迷っております。
清水陽平:見たところわいせつ物関係の罪はクリアしているようですが、著作権や肖像権を侵害する可能性がありそうな画像が多い印象です。
ワクスト:まぁ・・・それはそうなんですがネットに広まっているフリー素材化したようなエロ画像なら使って問題ないのでは、という認識がありまして・・・。
清水陽平:結果的に広まってしまっただけで、その画像に写っている人や撮ったカメラマンがネット上での掲載を承諾したわけではないと思います。実際にはフリー素材ではないので、これを勝手に使えば肖像権や著作権の侵害となる余地があります。
実際、イラストや漫画などでは問題になることもそれなりにあります。フリー素材化したような写真の場合ではあまり聞いたことはないですが、あまたあるサイトの中からワクストだけ訴えられる可能性はゼロではありません。
ワクスト:軽微な交通違反と同じですね、みんなやってるからOKではないと。では、おっぱいだけ、お尻だけ、みたいな画像ならバレないからOKですか?
清水陽平:バレないからOKという話ではないのですが、肖像権は顔について生じる権利なので、身体の一部には肖像権は発生しません。ただ、構図や色味などその画像を作品と捉えた場合、撮影したカメラマンの著作権が発生していますので、そこを侵害していると見なされることはあるでしょう。
ワクスト:では、うちのサイトでも最近増えてきましたが、AI画像ならOKですか?
清水陽平:他人の著作権が及んでいる素材として、実在のモデルや既存の画像を学習させると、著作権侵害にあたる場合があるでしょうし、生成された画像も著作権や肖像権の侵害を生じる場合があるといえます。たとえば、ある一人の女性を学習させて、そのAIから生成された画像を勝手に使えば、肖像権侵害と言われる可能性が高そうです。
ワクスト:二人の女性を学習させたAI画像ならどうですか?
清水陽平:そのあたりは程度問題となり、実際に生成されたAI画像を見てからの判断ではないでしょうか。
ワクスト:大量の画像を学習したAI画像なら大丈夫そうですね。あと、他人が作ったAI画像を別のサイトから拾ってきて、それを自分の記事で使うのはどうでしょうか?
清水陽平:AIが自律的に生成した画像は著作物には当たりませんが、人の創作意図や創作的寄与がある場合には、著作物性が認められることがあります。そのため、AIが生成したものだから何でも著作権フリーと思っているとリスクがあります。他人が生成したものは安易に使うべきではないとはいえると思います。
ワクスト:AI画像だからセーフというわけではなさそうですが、いろいろな可能性は広がりますね。最後になりますが、今お話いただいたのは全て記事の制作者、ワクストではクリエイターと呼んでいます、が責任を負うもので、ワクスト本体には問題ないのでしょうか?
清水陽平:2012年に「楽天チュッパチャプス事件」というのがあり、これを受けて、サイト運営者が削除依頼を受けて1週間程度で削除をした場合には責任を問われないというのが実務的運用となっています。詳しくは調べてみていただければよいと思います。
ワクスト:わかりました。今日はありがとうございました。
[まとめ]
ワクストに載せる画像は下記が正しい選択。
・文字だけの画像を使う
・自分で作った生成AI画像を使う
・ワクストに掲載するのがOKの画像を購入して使う
・自分で合法的に撮影した画像を使う
[清水陽平弁護士]
インターネット上のトラブル対応の案件を多数扱っている。
主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を行っている。
事務所名:法律事務所アルシエン
事務所URL:http://www.alcien.jp
