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闇を買う者【episode 1:秘密クラブへ】

※入会シーンの詳細を書き上げて更新ボタンを押したところ、ログイン画面に飛ばされてしまい、執筆した内容がすべて消えてしまいました。
今回投稿している本文は、消える前に残っていた校正前の下書きと、当時のプロットをもとに、生成AIで補完・再構成したものです。

結果として、生成された文章の方がむしろ綺麗にまとまっていて、正直ちょっと複雑な気持ちではありますが、自分なりに手を入れつつ「今回はこれで出そう」と割り切ることにしました。

本編では、秘密クラブのシステムや、その裏にある闇の部分を描いていますが、今回はエロ描写はありません。
どこまで書いて良いものか悩みつつ、できるだけ具体的に描写しようとしていたら、想定以上のボリュームになっており、その状態でデータをロストした瞬間、さすがに心が折れました……。

 

 

そんな事情もあり、「今回はAI補完版です」ということを正直にお伝えしておきます。
読んでくださる皆さまには、ご迷惑というか、少しモヤっとさせてしまうかもしれませんが、どうかご容赦いただければ幸いです。

 

【episode 1:秘密クラブへ

俺は都内の住宅街にある、五階建ての古びたマンションのエレベーターに乗り込んだ。
ワイヤーが切れて落ちるのではないかと疑いたくなるほどのモーター音を響かせながら、1、2、3……と丸いランプが古びた数字を順に灯していく。

五階に着くと、扉が開く瞬間にカゴがガクンと沈み、ガタガタと音を立てながら、ゆっくりと扉が開いた。

鈴木氏が先に降り、俺はその後に続いた。

廊下の突き当たりで、鈴木氏が足を止める。
表札には【505号室 NPO法人 地域連携センター】の文字。
しかし、これがダミーであることを俺は事前に聞かされていた。

ここへ来る前、「詳しくは言えないけど」と前置きしたうえで、鈴木氏は、この団体が“非合法な斡旋”を行う組織であることだけを教えていた。

505号室だけが、廊下の空気を変えていた。
カメラ付きのインターフォン。不相応に天井の隅へ取り付けられた防犯カメラ。
どれも「ここだけ違う」ことを静かに主張している。

俺が「危険はありませんか」と尋ねたときも、鈴木氏は
「ルールと金の流れを守れば大丈夫だ。とにかく嘘をつくな」
と繰り返すばかりだった。

裏を返せば、ルールを破れば命はない、ということだ。

鈴木氏がインターフォンを押した。

「はい」

無機質な男の声。
鈴木氏が「鈴木です」と名乗ると、「お待ちください」とだけ告げられ、通信が切れた。

数秒の静寂。

ガチャ、ガチャ、と二つの鍵が外され、続いて、じゃらじゃらとチェーンが外れる音。
それからゆっくりと、扉が開いた。

鈴木氏の肩越しに中を覗くと、スーツ姿の初老の男と目が合った。

俺が挨拶をしようとした瞬間、男は笑顔を崩さぬまま、静かに言った。

「お入りください」

言葉は丁寧だが、目だけが異様に静まり返っている。
“目が座っている”とは、こういう状態を指すのだろう。

玄関に足を踏み入れると、男はすぐに扉を閉め、二重の鍵を掛け、チェーンを戻した。

外界を一瞬で遮断するような音だった。

普段は軽口ばかりの鈴木氏が、嫌に大人しくしている。
その沈黙が俺の緊張をさらに強め、胸の奥がじわりと熱くなる。

奥の部屋へ案内されると、四人ほど掛けられる大きなソファが向かい合っており、中央には重厚なローテーブルが置かれていた。

窓のカーテンはすべて閉ざされ、天井から垂れ下がるシャンデリア風の照明だけが部屋を淡く照らしている。
外界がすっかり遮断された、と直感した。

案内してくれた男は『高松』と名乗った。
それに返すように「磯田です」と名乗ると、高松氏はソファを軽く指し示した。

挨拶もそこそこに、彼は本題へ切り込む。

「磯田様。当サービス『アクロニア』への入会希望ということで、お間違いありませんか?」

秘密クラブの正式名称は『アクロニア』というらしい。

「はい」

覚悟を決め、俺は咳払いをひとつしてから返事をした。

鈴木氏から事前に用意するよう言われていた通帳、免許証、住民票を渡すと、入会申込書とペンが差し出された。

住所、氏名、生年月日、家族構成、親兄弟の情報、年収、資産状況――。
個人の“すべて”を書かされる欄が続く。

書き進めるほどに、ペンが重くなっていった。
これをネタに脅されるのではないか。
どこかで監視されているのではないか。

悪い想像ばかりが頭を支配し、ここへ来たことを心底後悔し始めていた。

だが、もう後には引けない。
最初の一筆を書いた瞬間から、道は決まっていたのだ。

記入を終えて用紙を渡すと、高松氏は指でなぞるように、一つひとつ丁寧に、緻密に確認していった。

「……確かに承りました」

書類の確認を終えると、通帳と身分証のコピーを頂くと言い残し、静かに退室した。

扉が閉まった瞬間、肺の奥から息が漏れる。

「緊張してるな」

隣に座る鈴木氏が、軽く肩を揉んできた。

「当たり前ですよ」

笑って返したが、緊張より不安のほうがずっと勝っていた。

沈黙のまま待つ時間は、やけに長く感じられた。

三分ほどして、高松氏が戻ってきた。
きっちりと揃えられた通帳と免許証が、ローテーブル越しに差し出される。

「では、これより審査に入ります。一週間後の二十時に、お一人でこちらへお越しください」

今日、そのまま入会できるものだと思い込んでいた。
その期待が裏切られた瞬間、不安が胸に広がる。

同時に、鈴木氏が“嘘をつくな”と繰り返していた理由を理解した。

おそらくこの一週間で、俺の身辺は徹底的に調べ上げられるのだろう。
そこで何か一つでも嘘があれば、入会はできない。
――それどころか、命も保証されない。

裏の世界に、軽率な嘘は通用しない。

高松氏と再び会う約束を交わし、俺たちは部屋を後にした。

その一週間、どこかで見張られているのではないかという疑念が、肌に貼りつくように離れなかった。

登録のない番号から着信があるたび、心臓が鋭く跳ね上がる。
郵便受けの音にも、隣の部屋の生活音にも、いちいち神経が反応した。

日常のすべてが、“審査の目”に繋がっているような気がしてならなかった。

俺の生活は、この一週間だけでずいぶん静かになった。

約束の日、俺は再び505号室のインターフォンを押した。

「磯田です」

丁寧に名乗り、カメラへ顔を向けると、中から鍵の外れる音が聞こえ、扉が開いた。

数歩進んだところで、背後で扉が閉まり、重々しい鍵の音が鳴る。
その音は、締め切られた世界への合図のように響いた。

ソファに腰を下ろすなり、高松氏は淡々と告げた。

「審査の結果、入会を承認いたしました」

喜びよりも、まず安堵が先に来た。
差し迫った身の危険が、一歩だけ遠のいた気がした。

「ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします」

頭を下げると、高松氏による『アクロニア』の利用方法の説明が始まった。
まるで機械のように、正確で、感情の揺れがない声だった。

途中で、高松氏はソファの横に置かれていた革張りのバインダーを開き、俺の前にそっと置いた。

ページには、ランクごとの利用条件と、紹介される女性の“傾向”が上品な文体でまとめられていた。
だが、その上品さの裏で、明らかに“選別された層”を扱っていることがわかる内容だった。

最初の項目は、Dランク。
文章は柔らかく整えられていたが、要するに「一般的な水準よりやや上」の女性が多い、という意味だ。
社会経験があり、落ち着いた性格の者が中心で、接客態度や所作は標準以上。
年齢は原則二十五歳以上。

ページをめくると、Cランク。
ここから、文章の雰囲気がわずかに変わる。
容姿や雰囲気に明確な基準が設けられ、若さと華やかさを兼ね備えた女性が多い、との記述。
年齢は二十歳以上。

さらに上には、Bランク。
表現自体は丁寧で曖昧だが、文脈から読み解けば「かなり選び抜かれた層」であることがわかる。
モデル経験や芸能関係者、といった単語が、さりげなく紛れ込んでいた。
年齢は十八歳以上。

ここまででも十分に異様だったが、ページの隅には、さらに上のランクの存在をほのめかす一文があった。
詳細は伏せられているが、どうやらBの先に、“別次元”の枠があるらしい。

バインダーを閉じた瞬間、胸の奥に重いものが沈んだ。
高松氏の淡々とした説明とは裏腹に、この組織が表の常識とは別の価値観で動いていることが、はっきりと伝わってくる。

同時に、俺は気づいていた。
――今の俺は、その価値観の“内側”に立っている。

優越感にも似た感覚と、これから得られるであろう体験への期待が、じわりと膨らんでいく。

「ご質問はございますか?」

高松氏の問いに、ふと感じた疑問を投げかけた。

「ところで、どんなプレイが可能なんでしょうか?」

「磯田様のご希望通りのことが可能です」

「えっ? NGとはないんですか?」

高松氏の回答に面食らった。

「現在のランクでは、著しく身体に影響を及ぼす可能性のある行為は禁止させていただいておりますが、原則会員様の要望を全て受け止めるよう指導しております。
ちなみに鈴木様からのご紹介ということも含めて、磯田様はCランクからのスタートとなります」

 

どうやら俺は、Cランクからのスタートらしい。

鈴木氏の信頼は相当なものなのか、それとも俺の審査結果がよかったからなのか、それはわからない。

しかし、聞き逃してはいけない言葉があった。

“現在のランクでは”という事は、ランクが上がればNGの幅が狭まるということか……。

自分の中のドス黒い欲望が湧き上がる感覚がした。

 

質問を終えると、高松市は規則について説明を始めた。

まず、『アクロニア』について知り得た内容は、例外なく他言禁止であること。
他者を紹介したい場合は、事前に連絡を入れ、許可を得たうえで、詳細は伏せたまま現地へ連れてくること。

「紹介した相手が不適格だった場合、または規則違反があった場合は、紹介者にも同等のペナルティが発生いたします」

その一文が、妙に静かに響いた。

利用料は事前入金制で、そこから紹介のたびに自動で差し引かれる。
紹介を希望するときは、利用したいランクと、好みの容姿や年齢、雰囲気などを電話で伝えれば、条件に近い相手を紹介してもらえるという。

女性だけでなく男性も紹介可能らしいが、俺がそれを利用することは一生ないだろう。

また、身体に影響が出る可能性のある行為を希望する場合は、事前に申告することで、プレイの可否をスタッフが判断する。
「トラブル防止のためです」と、高松氏は変わらぬ調子で言った。

紹介後の個人的な連絡先の交換は自由だが、直接会う場合は、事前、もしくは事後三日以内に『アクロニア』への報告が必須となる。
さらに、身請け制度についての説明もあった。
相応の金額を支払えば、その女性を“買い取る”ことができるという。

半年以上利用がない場合は休会扱いとなり、復帰には事務所での手続きが必要になる。
一年以上の未利用は自動退会。
残金の返金はなく、再入会は原則不可。
もし認められたとしても、ランクは初期に戻される。

淡々とした説明でありながら、一つひとつの言葉が妙に重かった。

「以上が基本のご案内になります。優先して覚えていただくべきは、禁忌と利用方法です。……これは、何よりも重要でございます」

その静かな一言に、背筋がひやりと冷えた。

そう言い終えると、高松氏が立ち上がった。
反射的に俺も腰を浮かせたが、手のひらをこちらに向けて、静かに制された。

「最後に、別の者から説明がございます」

一礼を残し、高松氏は部屋を後にした。

数秒の後、部屋が二度ノックされ、「失礼します」と声がして、細身の男が入ってくる。
髪型はスキンヘッドに近い坊主。かっちりとした黒のスーツをまとった、四十代くらいの男だ。
右側頭部から頬にかけて、古傷のような痕が走っている。

向かいのソファへどかっと腰を沈めると、その男はニコリと笑った。

「はじめまして。塚田と申します。この度はご入会ありがとうございます」

「磯田です。よろしくお願いします」

礼をし、顔を上げた瞬間、改めて古傷が目に入る。
その途端、体に緊張が走り、呼吸が浅くなるのを自覚した。

「緊張せんといてください。強面なんて言われますけど、根は優しい男なんです。これはチャームポイントですわ」

へへへっと笑いながら、塚田氏は傷跡を指でなぞる。
なんだか、自分の内心をすべて見透かされているような感覚がして、不安がじわじわと増していく。

「私からは、規則違反をした場合について、お話させてもらいます。磯田様がそのようなことをなさるとは思ってませんけど、入会時の“お約束”みたいなもんですから……ね」

「は、はい」

背筋を伸ばし、相手に悪印象を与えないよう、全神経を前へ向ける。
とにかくこの男はヤバい――理由はうまく言語化できないが、本能的にそう断言できた。

塚田氏は、テーブルの上に二つ折りの小型DVDプレイヤーを置き、こちらに向けて開いた。

「規則違反者の映像です」

短く告げると、再生ボタンを押す。

画面に映ったのは、薄暗い倉庫のような部屋だった。
裸電球のような明かりがひとつ、天井からぶら下がっている。

その下で、全裸男が仰向けに近い体勢で床に転がっていた。
迫り来る何かから逃れようとするように、両腕で顔と腹を必死にかばいながら、ずるずると後ずさっていく。

「待ってくれ……金は払います。被害届も取り下げます。もう、勘弁してください。」

喉をすり切るような声が、スピーカー越しに響いた。
それは悲鳴とも懇願ともつかない、みっともなく、必死な声だった。

画面の外から、男の声が返ってくる。塚田氏だとすぐに気づいた。

「お前が選んだ結果やろ。なぁ? こっちは最初に説明したよな。チクリは最悪やで……」

次の瞬間、男の左膝に金属バットが勢いよく振り下ろされた。

男は地面を転がりながら泣き喚いている。

「チンコいらんやろ」

塚田氏がそう言うと、数名の黒服の男たちが、全裸男を取り押さえ、両足を左右に広げ開脚させた。

 

「塚田さん、やめてください。塚田さん、塚田さん」

 

男の懇願が響く中、塚田氏は金属バットを振り上げた。

男の悲鳴を切り裂くように、バットは男の股間目掛けて振り下ろされた。

塚田氏はDVDプレイヤーを閉じ、無表情のまま口を開いた。

「規則違反者は、一人だけやありませんので。……どうか、お気をつけください」

淡々としたその声が、逆に恐怖を際立たせていた。

喉がひりつくように乾いていることに気づき、唾を飲み込む。
背中のあたりに、じっとりと汗がにじんでいた。

――ここは、本当に“裏”だ。

頭ではわかっていたつもりだった事実が、ようやく骨の髄まで染み込んでくる。

それでも、不思議なことに、心のどこかは冷静だった。
そして、別のどこかは高揚していた。

こんな場所に出入りしている自分。
選ばれた少数だけが知る、金と欲と暴力が入り混じる世界。

恐怖に喉を締め付けられながらも、その“甘美さ”に酔い始めている自分がいた。

ルールさえ守っていれば大丈夫だと、何度も自分に言い聞かせた。

一通りの説明を終えると、塚田氏は立ち上がり、軽く会釈をした。

「本日は以上になります。今後とも、良きお付き合いを」

俺は立ち上がり、深く頭を下げた。

玄関まで見送られ、重い扉が開く。
廊下に出ると、さっきまでの閉ざされた空気が嘘のように、ひんやりとしたマンションの匂いが戻ってきた。

五階からエレベーターで降りる間、心臓の鼓動はまだ速かった。
だが、その鼓動はさっきまでの“逃げ出したい恐怖”とは、少し違っていた。

――俺は、アクロニアの一員になった。

恐怖を植え付けられたはずなのに、足取りは妙に軽い。
これからこの秘密クラブを利用できるのだという事実が、興奮を伴って現実味を帯びてくる。

外に出ると、夜の空気が肺の奥まで流れ込んだ。
遠くで車の音がしている。世界は何事もなかったように回り続けている。

その“普通の世界”のすぐ隣に、アクロニアのような場所がある。
その内側に、もう俺は立っている。

怖さと、高揚と、どうしようもない期待と……相反するそれらが胸の中で渦を巻きながら、俺は夜の街へ歩き出した。

クリエイターのプロフィール
ライター業+素人ノベル作家をしています。 本職では書けない話なんかを投稿したいと思っております。 最近はプライベートで風俗にはめったにいかなくなりました。。。
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