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​終わりの始まり

寝室は、荒い吐息と肌のぶつかる湿った音で満ちていた。美咲の柔らかな太ももが健一の腰に絡みつき、熱い蜜壺が彼の屹立をきつく締め付ける。長い結婚生活で培われた、互いの弱い部分を知り尽くした動き。健一は妻の胸の先端を舌で転がし、腰を深く打ち付けながら低くうめいた。

「ん……あっ、そこ……いい……」美咲の声が甘く掠れる。彼女は背を反らし、爪を健一の背中に立てた。律動が激しさを増し、やがて健一は妻の奥深くで熱を放った。二人同時に達した余韻の中、汗ばんだ身体を重ねて息を整える。健一は妻の髪を優しく撫でた。完璧な夫婦の、いつもの夜だったはずだった。
 
「ねえ、あなた」 胸元に顔を埋めていた妻、美咲がふと顔を上げて甘い声で囁いた。 「ん? どうした?」 健一は気怠い余韻の中で、妻の滑らかな髪を撫でる。完璧な夫婦の、完璧な夜のはずだった。​「香水、変えた?」 「え?」 撫でる手が、ピタリと止まる。 「私、そんな甘ったるい匂いのもの、持っていないんだけどな」 美咲の瞳から、先程までの熱が急速に冷めていくのがわかった。漆黒の瞳が、暗闇の中で健一を鋭く射抜く。​「あ、いや……今日、満員電車で隣の人の匂いが移ったのかな。最近の柔軟剤は匂いが強くて……」 「ふうん。柔軟剤ね」 美咲は冷たく微笑み、健一の首筋にスッと指先を滑らせた。​「……その柔軟剤、ずいぶんと首筋にだけピンポイントでつくのね。それも、こんな赤い痕までセットで」 健一の背筋に氷のような汗が伝う。自身の心臓の音が、静寂な部屋に異常なほど大きく響き始めた。​「……違うんだ、これは」 「何が違うの?」​逃げ場のないベッドの上。甘い時間は唐突に終わりを告げ、冷酷な尋問が今、幕を開けた。
クリエイターのプロフィール
アメブロ・Thai-massage soulで、タイマッサージ店に訪問してマッサージを受けた感想を配信しています。良い店舗・スタッフさんが、タイマッサージを愛するお客さんと繋がる手助けをしたいと思ってます。ワクストではコアなファン向けの記事を書いてます。
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