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パンチラ学園X 第八話

ちなみに、各シャワールームは、もともとは、屋根は存在しなかった。それが最近になって取り付けられたのである。屋根が。理由は、最近、上空からの撮影用ドローンによる、シャワールームへの盗撮事案が発生したからである。犯人は、捕まらなかったが、このことがあって以来、各シャワールームにも屋根が取り付けられることになったのである。閑話休題。

紗姫先輩が使用しているシャワールームが、ガラス張りであることに衝撃を受ける少年X。しかし、そんなXをさらなる衝撃が襲う。それは...。それは、紗姫先輩の、その姿だった。

 

紗姫先輩は、アンダーウェアを着けていた。肩ひものないタイプのスポーツブラ(スポーツブラジャー/スポブラ)とスポーツパンティ(スポパン)である。それだけなら、スポーティーな紗姫先輩にふさわしく、なんらの違和感もない。問題は、その状況だった。紗姫先輩は、シャワーを浴びていた。下着を着けたままである。あの紗姫先輩が、そんな変態みたいな仕儀におよぶとは、Xには、信じられなかったのである。

 

(どういうことだ?)

いぶかしむX。

とにかく、この位置関係からでは、紗姫先輩の姿が見えづらい。本来なら、この位置関係が最もシャワー室の内部を見やすいはずであるが、全体がガラス張りのボックスとあっては、むしろ、Xのいるしげみからでは、扉が邪魔をして使用者の姿が見えづらいようになっていた。(シャワールーム(ボックス)がガラス張りのため、むしろ、扉からは逆側の方が使用者の姿が見えやすかった。)

Xは、移動することにした。とはいえ、ガラスの壁となっている反対側に移動するには、音を立てまくってしまうため、極力、音を立てない手段として、Xは、最寄りの木に登ることにした。Xは、最寄りの木に登った。

 

極力、音を立てないよう、細心の注意を払って木に登った少年X。こちらの正体をさとられぬよう、葉の生い茂った陰からカメラの望遠レンズを突き出すX。と、その瞬間、異様な光景が、望遠レンズ越しにXの目に飛び込んできた。

 

それは、異様な光景だった。現在、Xは、木の太い枝に乗って、その葉陰からカメラの望遠レンズを出しているのだが、Xのいる木から見て、シャワールームをはさんで反対側に、無数の“目”を発見したのである。

X側の木から見て、シャワールームをはさんだ反対側にも樹林が存在しているが、その上方に“異常”はあった。Xが、地上(しげみの中)にいる間は、気づかなかったが、上空に移動して同じレベルに達した瞬間、“そのこと”がわかったのである。

反対側の樹上には、“目”があった。それもひとつやふたつではない。無数の“目”が。その正体は...。

 

目の正体は、少年Xのそれと同じ、“レンズ”であった。無数のレンズ。少年Xの持つそれと同じ、カメラの望遠レンズもあれば、ビデオカメラのレンズもある。普通のカメラのそれもあった。これはいったい?!

そんななかで、紗姫先輩は、無数のカメラの存在を、しってかしらずか、下着姿のまま湯浴みをしているのだ。

Xは、この時、すべてを理解した。いまこの場に集って、シャワールームの紗姫先輩を狙ってレンズを向けている連中は、みんなおたがいの存在を熟知しているのだ。いまこの場にい合わせている全員が、おたがいのことを知っており、一致団結するかのようにして、紗姫先輩にレンズをフォーカスしているのだ。Xの推理は、こうだ。

 

この中の“誰か”(この中の誰かうちひとり)が、紗姫先輩の弱みを握った。その“誰か”は、弱みを楯に取って、紗姫先輩に、自分のいうことをきくように迫った。紗姫先輩は、それにしたがってしまった。そして、その内容が、この、下着姿のまま入浴するという変態ショーだろう。最初の間こそ、その脅迫者がひとりが愉しんでいたのだろう。しかし、そのうち、うわさを聞いて、一人また一人と数が増えていったのにちがいない。おそらく、おたがい同士、知己もあるのだろう。そして、そのうちおたがいに協力し合うようになっていったのである。これだけの大人数が集まった結果、ガラスのケース(シャワールーム)を調達することもできたのだろう。紗姫先輩が入浴するさい、彼らがガラスのシャワールームを用意し、ことが済んだら、また彼らが撤去する、という流れになっているのだろう。そんな彼らの労苦を思うと、思わず感心してしまうXだった。

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