透明人間

「まさるくん!ついに完成したぞ!」
博士は助手のまさるに叫んだ。
念願の透明人間になる薬ができたのだ。
「博士おめでとうございます」
「いやいや、私が大学生の時から40年かけてやっと完成した薬は君のおかげだよ」
「さあ博士!早速飲んでみてください。効き目は30分なんで詳細に記録して学会に発表しますね」
「何を言うんだい?私は学会なんて興味ないんだよ。40年研究してきたのは透明人間になって女風呂がのぞきたいだけなんだよ。学会に発表するなら君の手柄でいいから勝手にやってくれ」
このエロ博士は大学時代からそれが目的で研究に没頭していたらしい。エロにかける情熱が素晴らしい。
そういうと不気味な色の液体をごくりと飲んだ。
しばらくは全く変化が無かったが、1分過ぎた頃には指先から段々と透明になっていった。
頭も透明になっていった。もちろん服は変化ないので服の中が空洞みたいになっていった。

「博士!透明になりましたよ!」
「まだだ、全身が消えているか確かめてくれんかね」
そういうと服を脱ぎ始めた。
あっという間にパンツ一丁になった。少し黄ばみがかった白いブリーフをさっと脱ぎ捨てた。パンツはまさるのスマホの上に落ちた。
「どうだ?完全に透明になっているだろ?」
「はい、完全に透明にんげ、、ん?」
まさるが見たのは完全な透明人間ではなく、目の前には半透明で空中に浮いているTNPがあった。しかも仮性包茎なお粗末なやつ。
薬の副作用なのかそこだけは完全に透明になりきれなかったらしい。そこだけが透明人間ではなかった。

しかし、40年の研究が台無しになって博士をがっかりさせたくなかったまさるは、
「えええ、博士がどこにいるか全くわかりませんよ」と空中のTNPを横目に見ながら答えた。
すると博士は
「じゃあ何をやってるかわかるかい?」
ゴソゴソと音がする。おそらく手を振ったり変顔して反応を見てるのだろう。
「いえ、わかりませんが」
「んじゃ、これはどうかな?」
目の前のTNPがグルングルン回転し始めた。おまけに横にある椅子がギシギシなりだしたので、おそらく片足を椅子に乗せて腰に手を当ててTNPを回転させてるのだろう。
笑いを必死で堪え
「全く、、見えませんよ、、(ヒクヒク、、)」(堪忍してくれ、、)
「そうか!成功だ。今から出かけてくる」
「えええ、薬はあと20分しか持ちませんよ。早めに帰ってきてくださいね」
外に行ってしまったけど夜だから半透明ぐらい大丈夫だろう。
博士はこの時のために銭湯の隣に研究室を構えていた。
博士は堂々と風呂屋の「女」の暖簾をくぐり、そのまま大浴場へ向かった。
研究室のまさるは気が気では無かった。半透明であれバレないだろうか?仮にバレたとしても見た人間はどう思う?
そんな心配をしていると、ガチャっと研究室のドアが開いた。
ぼんやり見えるTNPはしょんぼりしている。
「失敗だー」博士は叫んだ。
半透明がバレたのか!
と思いきや、
「銭湯ってババアばっかりじゃないか!若い子は一人もおらん!」
それからすぐに博士は女子大の寮の隣のマンションに引っ越した。
その日の晩、女子大の寮から悲鳴が鳴り響いた。
「フランクフルトが風呂に浮いてるぅぅ!!」
大騒ぎとなった。
博士はなんのことかわからなかったが、ふいに洗面器で玉ごと洗面器で掬われた。
「いてっ!」博士は飛び跳ねると自分のことだと理解し湯船を飛び出し出口へ向かった。
「キャーー!!、フランクフルトが空中に舞ってる!」
1人の女子大生がむんずと掴むと強引に引き寄せた。
博士は次の瞬間、
「うぐぐぅ、」と激痛が走る中、
「女子大生に握られて最高!」
と思いつつ意識を失っていった。

3年後、、
4畳半一間の安アパートで博士は駅前で拾った新聞の見出しを見てニヤリと笑った
「ドクターまさる。ノーベル賞受賞!透明人間になれる薬作成!」

