半年の命を食う果実

俺の名前は田中一郎、35歳。
IT系の小さな会社でプログラマーをしている、典型的なモテない童貞独身男だ。薄毛で冴えない顔、ぽっちゃりした体型。35年間、女性に相手にされたことなど一度もない。休日はAVを見てオナニーするだけの味気ない人生を送っていた。
そんな俺の人生が、3ヶ月前のある朝に一変した。
体から甘く濃厚で、動物的な匂いが出ていることに気づいた。加齢臭かと思ってシャワーで流したが取れない。
初めての相手は、満員電車の中で出会った知らない子だった。
朝の山手線、いつものように吊革につかまっていると、後ろから柔らかい女の体が密着してきた。20代半ばくらいの、黒髪ロングの清楚系女子。スーツを着たOLだ。彼女は俺の首筋に鼻を押しつけ、深く息を吸い込んだ。
「……んっ……この匂い……何? すごく……体が熱い……」
彼女の声は震えていて、息が荒くなっていた。俺の背中に乳房を押しつけ、腰をゆっくりと前後に動かし始める。ストッキングに包まれた太ももが、俺の脚に擦りつけられる。
周囲の乗客がいるのに、彼女は構わず俺のシャツを掴んだ。

「ダメ……離れられない……おかしくなる……」
俺は動揺しながらも、彼女の熱い吐息と柔らかい感触に興奮を抑えきれなかった。次の駅で降りると、彼女は俺の手を握って離さず、駅ビルのラブホテルに自ら連れ込んだ。
部屋に入るなり、彼女は俺に襲いかかってきた。
「童貞……? いい……むしろ興奮する……早く、触って」
彼女は自らブラウスを脱ぎ捨て、Dカップの美しい胸を露わにした。俺の手を取ってその胸に押し当てさせ、乳首を指で転がす。彼女はすぐに甘い声を上げ、俺のズボンを下ろして硬くなったものを握った。
「大きい……熱い……」
そのままベッドに押し倒され、彼女は脚を大きく広げた。すでに愛液でびしょ濡れのピンク色の秘部が、俺を誘うようにヒクヒクしている。
「入れて……お願い……子宮が疼いて狂いそう……」
俺は震える手で彼女の中に挿入した。35年間守り続けた童貞を、初めての女に捧げた瞬間だった。熱く狭い膣肉が俺を包み込み、強烈な快感が全身を駆け巡る。
「ああっ! 奥まで……入ってる……!」
彼女は爪を俺の背中に立て、腰を激しく振りながら何度も絶頂した。俺もすぐに限界を迎え、彼女の奥深くに大量の精液を注ぎ込んだ。
彼女はイキながら涙を流し、「もっと……中に出して……」と懇願した。
その後、俺たちは2回戦、3回戦と続け、朝まで彼女を何度も抱いた。彼女は最後まで俺の体に絡みつき、「この匂い、忘れられない……」と震えていた。
それが始まりだった。
その後も止まらなかった。
会社のみんなのアイドル、高嶺の花・高橋美咲(24歳)とは、資料を渡した瞬間に目が合っただけで彼女が発情。昼休みに会議室に連れ込まれ、机の上に仰向けにされ、正常位で激しく突き上げた。

「田中さん……すごい……こんなに硬くて……あっ、ああんっ!」
彼女の長い脚を肩に担ぎ、子宮口を何度も突きながら中出し。美咲は3回もイキ狂い、俺の精液で溢れる秘部を押さえながら放心していた。
新卒の新人・小林あかり(22歳)は、終業後に「相談があります」と個室に誘ってきた。可愛い顔を赤らめながら、俺の股間に顔を埋めてフェラチオをしてくる。
「先輩の匂い……頭がぼーっとする……」
そのままデスクに手をつかせ、後背位で若い膣を掻き回した。あかりは声を殺しながら潮を吹き、俺の精液を飲み干すように受け止めた。
近所のコンビニ店員・佐々木ゆうか(24歳)は、夜中に寄っただけでレジ越しに発情。閉店後、バックヤードで制服のまま立った状態で挿入した。
「はあっ……はあっ……店長来たらヤバいのに……でも奥が気持ちいい……!」
短いスカートを捲り上げ、カウンターに手をつかせて激しく腰を打ちつける。ゆうかは何度も脚をガクガクさせながら俺にしがみついた。
他にも——
電車で出会った女子大生、ジムのスポーツ女子、ファミレスのウェイトレス、アパートの主婦、出張先のホテルマン……。
気がつけば、2ヶ月で30人以上を抱いていた。

毎日、違う女の体温と締め付けに溺れていた。
朝の電車で一人、会社で一人、夜に一人。時には一晩で2~3人を連続で中出しすることもあった。
35年間の童貞生活が嘘のように、女たちの甘い喘ぎ声と淫らな姿に囲まれる日々。
俺は完全にその快楽に溺れていた。
しかし、30人を超えた頃から、体が明らかに衰え始めた——。
朝起きると全身が重く、鏡に映る自分の顔は別人のようだった。目元の深いシワ、たるんだ頰、明らかに薄くなった髪。35歳のはずなのに、50代に見える。階段を二階分上るだけで膝が笑い、息が上がって動悸が止まらない。
「ただの疲れだ……女を抱きすぎただけだ」と自分に言い聞かせていたが、さすがに怖くなって病院へ行った。何かの性病かもと。
最初は近所の内科だった。
「疲労が溜まっているだけですよ。休養を取ってください」と言われたが、症状は悪化する一方だった。
二回目は総合病院の内科。三回目は大学病院の専門外来。そして四回目……結局、俺は一ヶ月の間に六回も病院に通うことになった。
血液検査、遺伝子検査、CT、MRI、テロメア長測定……ありとあらゆる検査を受けた。
結果が出たのは、六回目の診察の日だった。
担当の白髪混じりの老医師が、深刻な顔でカルテを置いた。
「田中さん……これは正直、医学的に異常なケースです。
あなたの生物学的年齢は、現在50歳を超えています。頭髪の老化、皮膚の弾力低下、内臓(特に肝臓と心臓)の機能低下……すべてが50代半ばから後半の水準です。
原因は、わかりません。ただ先日聞いたあなたの異常な性生活が関係していると思います。一回の行為で半年から一年年齢が経過している気がします。」
俺は呆然と椅子に座ったまま、言葉を失った。
35歳の俺が、実年齢で50歳超え。
残された寿命は、医者が慎重に言ってもあと20年を切っている可能性が高いという。
そして異常な性生活を止めない限りもっと早く寿命は尽きると。
「今すぐ、性的行為を一切やめないと……本当に命に関わります」
医者の言葉が頭の中で反響した。
その夜、アパートの部屋で俺は一人、震えながら天井を見つめていた。
——でも、止められない。
性欲が異常だった。
フェロモンは止まらない。朝起きた瞬間から股間が熱く疼き、昨日抱いた女の感触が脳裏に蘇る。
しかも、女たちはまた俺に吸い寄せられてくる。
病院から帰る電車の中でも、隣に座った30歳くらいの主婦が俺の匂いを嗅いだ途端に太ももを擦り合わせ始め、
「すみません……変なんです……」と小声で囁きながら俺の手に自分の手を重ねてきた。
家に帰ると、すでに2人の女が玄関の前で待っていた。
会社の美咲と、コンビニのゆうかだ。
「田中さん……今日も、ダメ……我慢できないの……」
「一郎さん、早く……入れて……」
俺は理性で拒否しようとした。
本当に、死ぬかもしれないんだぞ、と自分に言い聞かせた。
しかし、彼女たちが俺の首筋に顔を埋め、甘い吐息を吹きかけてきた瞬間——理性など簡単に溶けた。
部屋に入るなり、俺は美咲を壁に押しつけ、スカートを捲り上げて後ろから一気に挿入した。
「はあっ! ああっ! 田中さんの……硬い……!」
美咲が壁に手をつきながら喘ぐ横で、ゆうかは跪いて俺の玉を舐め上げてくる。
交互に二人を抱き、交互に中出しした。
美咲の熟れた膣、ゆうかの若くて締まる膣。
俺の腰は止まらず、荒々しく突き上げ続けた。
射精するたびに、「また半年……また半年……」という言葉が頭をよぎる。
それでも、女たちの濡れた目、俺を求めて絡みつく肢体、甘い喘ぎ声に、俺は抗えなかった。
モテる。
35年間一度も味わえなかった「モテる」という感覚が、俺を狂わせていた。
どこに行っても女が俺を見て目を潤ませ、股を開き、俺の精液を欲しがる。
高嶺の花だった美咲が俺の前では淫乱に変わり、新卒のあかりは会社トイレで俺を誘う。
この快楽を知ってしまった今、普通の35歳の地味な人生に戻ることなど、到底考えられなかった。
「俺は……死ぬのか……?」
射精の余韻でベッドに倒れ込みながら、俺は天井に向かって呟いた。
隣では二人の女が、俺の胸に頰をすり寄せて幸せそうに寝息を立てている。
性欲は衰えない。
むしろ、体の衰えが進むにつれて、性欲はより凶暴になっていく気がした。
女を抱けば抱くほど寿命は削られるのに、抱かずにはいられない。
俺はもう、完全にこの甘い毒に溺れていた。
今、俺は鏡の前に立っている。
実年齢はまだ35歳。
しかし、映っているのは90歳を超えるような老人だった。
真っ白に抜け落ちた髪、深いシワだらけの顔、曲がった背中、枯れ木のように細くなった手足。
普通に立つことすらできず、杖にすがっている。
「もう……終わりだ……」
俺は震える手で包丁を握った。
この性欲の根源である、自分のものを切断しようとした。
これさえなければ、女たちに群がられることも、命を削られることもなくなるはずだ。
しかし、刃を近づけた瞬間、激しい恐怖が襲ってきた。
「やめろ……これだけは……俺の、最後の……」
手が震えて包丁を落とし、俺は床に崩れ落ちて嗚咽した。
結局、切ることができなかった。
数日後。
俺は杖をつき、よろよろとラブホテルに向かっていた。
ボロボロの体、誰が見ても90歳を超えた老人そのもの。
息をするのも辛く、足はガクガクと震えている。
しかし、あそこだけはまだ元気だった。
痛々しいほど硬く屹立し、疼き続けている。
部屋では、俺のフェロモンに誘われた若い女が待っていた。
彼女は俺の異様な姿を見て一瞬怯んだが、すぐに目を潤ませて服を脱ぎ始めた。

「早く……おじいちゃん……入れてください……」
俺は杖を壁に立てかけ、枯れた体で彼女を抱き寄せた。
腰はほとんど動かせず、浅く突くことしかできない。
それでも彼女は俺のものを締め付け、狂ったように喘いだ。
「はあっ……はあっ……もっと、奥まで……!」
俺は荒い息を吐きながら、彼女の中に放った。
また半年分の寿命が削られる感覚がした。
それでも、俺は笑っていた。
もう止まらない。
この甘い毒から、永遠に逃れられない。
杖をついた90歳の老人の姿をした35歳の男は、命が尽きるその日まで、女性を抱き続けるだろう。

