●●しないと出られないダンジョンと地味子のドスケベ誘惑

目を覚ますと、石の床だった。
青白い魔力灯。湿った壁。そばにいるのは、灰色のローブを着た回復術師のリナだけだった。ほかの仲間の姿はない。
「……無事か?」
「はい。リーダーも、大丈夫そうですね」
リナは大きな丸眼鏡を直し、扉を見た。そこには文字が浮かんでいる。
『手コキしないと出られない部屋』
「……これは」
「えっちなことをしないと出られないダンジョン、みたいです」
「……みればわかるよ」
壁も床も封じられている。剣は効かない。出口は扉だけ。
「どうしましょう」
「どうしようったって……」
見たところほかに手段はない。
「すまん、リナ」
「いいんです、私、リーダーのこと大好きですから。私に任せてください」
リナは眼鏡の奥で目を細めて妖しく笑う。
彼女の手は迷いがなかった。普段は地味で、戦闘中も後ろにいるだけの回復術師。なんとも思ってなかった。でもその指が、妙に慣れた動きで。
「え……なんだ、これ」
一瞬だった。俺はガチガチに勃起させられ、柔らかく白い手でしごかれている。
「リナ」
「我慢しなくていいんです。悪いのは、この部屋ですから」
「そうじゃなくて。どうしてこんなに……その、うまいんだ」
「聞きたいんですか?」
「いや…なんでもない」
そんなことより今はこの気持ちよさに集中したい。
「出る…っ!」
ビューッ!ビュー!
「はぁ…はぁ…、すご」
その囁きと同時に、扉が開いた。
リナは何事もなかったように立ち上がり、ローブを整える。
「…ふふ、たくさん出ましたね。嬉しいです」
「…とにかく先に進もう」
俺たちは次々に部屋を進んだ。
『フェラ抜きしないと出られない部屋』
俺が黙ると、リナはもう膝をついていた。ズボンを下ろすと俺のモノに触れ…
「ぅあっ、また」
「回復魔法ですよ、リーダー」
リナは眼鏡を外し、顔を近づける。見上げる顔はどこかニヤついていた。
「大丈夫です。リーダーは何も悪くありません」
俺は壁に背を預け、息を殺した。リナは静かで、丁寧で、逃げ場がない。地味な回復術師のはずなのに、俺の反応を一つも見逃さない。
「……っ、慣れてるだろ」
「秘密です」
リナの口は温かくて、舌は別の生き物のようにモノをしごきあげる。
また扉が光る。やがて石室が震え、二つ目の扉も開いた。
リナは眼鏡をかけ直し、小さく笑う。
「気持ち良かったですか?リーダー」
「めちゃくちゃ気持ちよかった」
そう、めちゃくちゃ気持ちよかった。でも脱出のためとはいえ、パーティの仲間とこんなことをするなんて…。
三つ目の部屋は少し広かった。
『パイズリしないと出られない部屋』
リナはためらいなくローブをたくし上げて見せつけてきた。普段、灰色の布に隠れていた身体の線が灯りの下に浮かんでいる。
「仕方ない…ですよね?」
彼女は俺にすり寄ってくる。
「どうしてほしいですか?」
柔らかな熱が触れた。俺は目を逸らそうとして、できなかった。リナはそんな俺を見上げて、控えめな声で言う。
「触ってもいいですよ」
……俺は触らなかった。でも、リナが俺のモノを胸に挟んでしごきあげている。
リナは俺の反応を確かめながら、確実に追い詰めてくる。
「出る…っ!!」
吐き出した欲望は彼女の胸とローブを濡らし、妖しく光っている。

「さっきよりすごかったです。私のカラダ、そんなに良かったですか?」
答えられない。答えないまま、また扉が開いた。
『四つん這い手コキしないと出られない部屋』
「四つん這い、ですね」
リナは淡々と言った。
「男、と書いてあります」
もう拒む言葉は出なかった。脱出のため。仲間と合流するため。そう思いながら、俺は床に手をつく。
背後からリナが近づく。
「リーダーのここ、丸見えですよ」
「…っ」
「でも、嫌ではなさそうです」
リナの指先が腰に触れた瞬間、身体が跳ねた。リナの手つきはさっきまでより意地悪で、俺の我慢をわざと確かめているみたいだった。
「声、我慢しなくていいですからね」
「……する」
リナの手は腰や玉、鼠径部、さらには乳首までをサワサワと刺激しながら、竿をゆっくりと味わうように撫で上げていく。
声が我慢できない。そこにいるのは頭の中射精することしか考えられない男と、反応を楽しんで弄ぶ、ドスケベ地味子だけ。
俺は獣みたいな恰好でみじめに絞られて、受け止めるリナの手袋に思いっきり欲望を吐き出した。
扉が開く。俺が床から手を離すと、リナはいつもの地味な顔でローブを整え、手袋を見せつけながらこう言った。。
「こんなに出して、手袋が妊娠しちゃいます」
『素股しないと出られない部屋』
「残念そうですね」
リナはローブを緩め、俺の腕を引いた。距離が近い。限りなく近い。だが、まだ越えてはいない。
「これは本番ではありません」
「……わかってる」
「だから、まだ大丈夫です」
大丈夫なはずがなかった。リナの熱が近く、声が近く、息が近い。リナの中に挿れたい、思いっきり突き上げて、中出ししたい。
リナもぐちょぐちょに濡れている。しかし意地悪に笑う彼女は、俺にまたがって腰をこすりつけ、そのまま射精に導いた。
最後の扉が開いた。これでいいんだ。
石廊下の先。最後の曲がり角。もう扉はない。条件もない。
出られる。
出られてしまう。
リナは隣で立ち止まった。
「……脱出、出来ちゃいますね」
いつもの小さな声。
「どうしましょう」
「どうしようったって……」
ダンジョンに入って最初の会話。
何度もリナに搾られ、そのたびに回復魔法で身体を戻された。何度も射精したがただ挿入だけができていない。欲望だけが残っている。今も、まだ。
なのに最後の部屋はなかった。
『中出しセックスしなければ出られない部屋』は、どこにもなかった。
「いいんですか?」
リナが見上げる。
「このまま出て」
出口の光が、彼女の眼鏡に反射していた。
「私、リーダーをたくさん気持ちよくしました」
「……ああ」
「でも私は、まだ一度もちゃんとは気持ちよくなってません」
リナはローブをたくし上げる。その様子に俺は目を逸らせない。
「私のほうは、ずっとこんななのに」
「リナ」
言い訳が消えた。脱出のためじゃない。仲間のためじゃない。ただ自分の欲望を満たしたいだけの自分勝手な理由。
リナが悪い、俺をこんなに誘惑して、一度もセックスさせてくれないんだから。そうだ、そうにちがいない。
俺はリナを曲がり角に引き戻して壁に押し付けた。
リナは俺の首に腕を回し、熱い息で囁く。
「今度は、私も連れていってください」
