教えて清水弁護士! 第1回「購入した記事が削除された! 売買契約違反じゃないの?」

ワクストでは昨年からネットトラブルに詳しい清水陽平弁護士にあれやこれやをご相談させてもらっています。有益なことも多いので、そのうちの一部を公開することにしました。
ワクスト:ユーザーが購入した記事を読む前にクリエイターが記事を削除する場合があります。それは、売買契約違反ではないか? という質問が届きました。
清水陽平:そもそも、記事の「購入」が法的な意味で売買契約というわけではなく、記事の利用契約ということになります。
慣例的に売買と言っていますが、ここでの記事は書籍などモノではなく情報です。なので記事を購入するということは、その情報を閲覧する権限を購入するということです。
形あるモノを購入すれば所有権も自分のものになりますが、情報の場合、所有権はありません。記事以外だとアプリゲームの有料アイテムなども同じ考えです。
ワクスト:なるほど。それならば購入後にクリエイターが削除することに法的な問題はないのですね。
清水陽平:利用権をどのように付与するのかによるのですが、ユーザーが購入直後に削除されて読めなくなったというのでは問題があるといえます。この辺りは何かしらルールを定めるべきかもしれません。
ワクスト:例えば「ユーザーが購入後1時間はクリエイターは記事の削除禁止」のようなルールを整備すればいいですか?
清水陽平:1時間あれば読めるでしょうし、最初からそうルールが決まっていて告知されていれば購入後すぐに読めない場合は、購入を控えるなどの対策もユーザーは取れるでしょう。
ワクスト:ありがとうございます。新しいルールを作って告知します。
※「ユーザーが購入後1時間は削除不可」というルールを作りました。
[清水陽平弁護士]
インターネット上のトラブル対応の案件を多数扱っている。
主要著書として、「サイト別ネット中傷・炎上対応マニュアル第4版(弘文堂)」などがあり、マンガ「しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~」の法律監修を行っている。
事務所名:法律事務所アルシエン
事務所URL:http://www.alcien.jp
