(自己紹介記事)アンビバレンスの探究者
2026年06月04日 09:27
2026年06月05日 00:18
更新履歴
2026年06月05日 00時18分
2026年06月04日 21時23分
2026年06月04日 17時27分
2026年06月04日 17時20分
2026年06月04日 09時27分
アンダーカバー誕生
およそ20年程前、私は当時付き合っていた女性と神戸の三宮のアーケードの下を練り歩いていた。おしゃれ人間だった私は元町や旧居留地などを散々ショッピングで行き来し、何時間歩いていたか知れない。
その後このアーケード街に辿り着いたのだ。ヘトヘトになりながらもまだどこかへ向かっていたのだろうか?
当時から、私は長時間歩くと腰にダメージが蓄積して動けなくなる症状を抱えており、もう無理。歩けへん。ちょっとカフェで座ったくらいでは回復しそうにない。
というところで、丁度マッサージの店舗の前で呼び込みをしている若い女性が目に入った。これ幸いとばかりに、頼むからこのマッサージ屋で休憩させてくれ。と私は女性に伝え、一緒に店舗に入ったのである。
店の名は「Relax」といった。
入り口にはビジネスマンぽい革靴や女性もののヒールなどが揃えて沢山置かれていた。私は呼び込みをしていた女性が担当になったようで、パーテーションで仕切られたベッドが置かれただけの狭い一画に案内された。
20代半ばくらいの、黒髪ロングのスレンダー。健康さ、清楚さが溢れる女性だった。
名も知らぬこの女性との出会いが、これから20年数々のバトルを繰り広げる"セラピスト"という存在と私が初めて接触した瞬間である。
指圧にやってきたので、着替えもなくベッドに上がりマッサージが始まった。ここでの施術の内容は重要ではない。
普通のマッサージ屋に来ただけだ。私が注目したのは、このときに確かに感じたある雰囲気である。
というのは、先ほどのとおりこの店は個室ではないので、静かにマッサージを受けていると色々な客との話声が聞こえてくるのだ。おばちゃんの声、他のセラピストの声。流石に内容までは分からないがきっと他愛のない会話だろう。そんな中、私はある一画からひと際妖しいオーラを感じとった。
そこではおっさんの声が女性スタッフとひそひそ話をしていて、これをどう表現したら良いのか。どことなく会話が艶っぽく客がマッサージを目的にしていない感じ。この女性を目当てにきているようなキャバクラ感。
なんだこれは?
私は腰が疲れてここにやってきたが、そうではない使い方、楽しみ方があるのか?
確かに、今私を施術してくれている女性は美人である。この子目当てに通ってもおかしくはない。
否。違う。私が感じているのはそんなことではない。こんな子はキャバクラや、風俗のような夜の世界では見たことがない。
そうだ。こんな子にはここに来なければ会えない。それがすごく特異な感じがする。私は新世界を目にしたような心持ち。胸がワクワクする。この得体の知れないものにとてつもなく興味をそそられた。
私は帰宅すると靴を脱ぎ捨て、服も着替えずにドタバタとノートパソコンを準備し、2ちゃんねるで該当するスレッドを探してみる。
…あった。これだ。
私が睨んだとおり、Relaxのスレッドではみなマッサージの話ではなくスタッフの女の子の話だけをしている。その技術や効果には何の興味もなさそうである。
こらおもろいなあ。こんな店が、こんなビジネスモデルがあったなんて。
私は感嘆の声を漏らし、ようやく一息ついた。私はこの発見に素直に感動したが、このときは単純に知らないものを見つけた少年のような気持ちを抱いていたわけで、別にこの店にはもう興味もないし、再び行くつもりもなかった。
ここで私は初めて「癒し」板に足を踏み入れていたわけである。
せっかくだからと、どんなスレッドがあるのかと何気なく検索ワードを自分の住む「京都」としてスレッドを絞り込んでみる。
すると、「京都癒し情報」という1件のスレッドがヒットした。
そのマイナーな板でも流れの遅いこのスレッドでは、住人たちは皆特殊な単語を使用して会話をしており、最初は話の内容がうまく飲み込めなかった。
そこでひとつひとつ、googleで検索して語彙を理解していく。
そこで私はエステジャンキーどもが巣食う本丸である「満蘭」や「アメブロ」と出会うことになるが、それはまた別の話。
気の遠くなる翻訳作業を経て、ようやく理解できたことは、この世界にはTBCとは違う「メンズエステ」なるものが存在し、店舗も構えず、ワンルームマンションの施術室で女性と2人きりになり、そこではオイルを用いた大変気持ちの良いマッサージが夜な夜な行われているらしい。
さらに、マッサージを受ける側の人間は紙パンツなるものを履いたほとんど素っ裸のような状態らしい。
そしてさらにさらに、その信憑性に疑義があるものの、いやらしい展開になり発射するケースもあるらしい。
私はここで真実を捻じ曲げる住人達の煽り合いや、自家発電なんていう超絶に下品で最高なネーミングなどを見るにつけ、この新しい世界にどんどん引き込まれていった。
と、同時に私にはある予感があった。
すなわち、ここで行われているサービスは私の性癖に間違いなく合致している。まるでCFNMそのものではないか。
これは行って確かめねばなるまい。その真実を。
冬に差し掛かる、肌寒い日だった。コートの中を冷たい風が吹き抜ける。
私がたどり着いたのは京都のとあるデザイナーズマンションの前だった。
私はあれからというものこのメンズエステなるものに夢中になって、情報収集を続け、ようやくひとつのサロンに狙いをつけたのだ。
店の名はルポゼといった。
もはや京都には現存しないが、神戸では現役のトラディショナルなベッド施術のメンズエステである。
公式のブログでは、施術者はセラピストとされ、名前ではなく苗字で呼ばれている。それが新しい世界に誘われるようで、私に興奮を与えていた。顔出しの写真は少しぼかされているように見えるが、風俗のようないやらしい写真ではなく、独特の清潔感と艶を醸し出していた。
ここなら自分という人間を存分に表現できるのではないか?
私にそんな希望を抱かせるサロンであった。
ところで、本当にこんなところに入るんですか?
というのは、これはどう見ても善良な一般市民が居住し生活をするマンションであって、こんなところで件のいやらしいマッサージが行われていては街の風紀が乱れるやん、と私は街の安全を思ったのである。
現に、先ほどからオートロックの前でドキドキする私を尻目に住民の人が出たり入ったりしている。
その度に入口まで戻って、
あれー?かっしーなー。なんで出ないんだよ。
なんてまるで友人がこのマンションに住んでいるかのように携帯電話を触って乗り切っているが、こんなことでいつまでも騙し通せるものではない。なぜなら、私のいやらしい気持ちが風紀の乱れとして空気として伝わって、住民の人に不安を与えてしまうかもしれないからだ。
とにかく、まずはこのオートロックを突破しなければならない。部屋番号は電話で確認しているものの、どういう切り口で話せばいいのか皆目見当もつかない。
とりあえずピンポンして名前を言ったらいいのだろうか?
それとも「予約していたアンカダバーです」とした方がスマートだろうか?
でもこれだと住民から変な目で見られるなあ。予約てなんやねん、という話だ。
ちなみにアンカダバーというのは、私の偽名の表現である。書き間違っているわけではない。
予約時間は既に近づいており、こんなところでまごまごしていてもしょうがない。私は意を決して部屋番号を押し、「どちら様ですか?」という問いかけに対応するためマイクの前でくんくんしていたら、数秒後、無言でドアが開いた。
なんやねん。なんも聞かへんのかい。
狭いエレベーターが上昇し、部屋に到着する。
インターホンを鳴らし、ドアが開けられるまでの数秒は、緊張でまるで時間が止まったようだった。
そして、ついにセラピストという人種とのファーストコンタクトである。
そのときの私は宇宙人と交信するかのような不安な感情を抱いていた。会ったことがない、という点でセラピストも宇宙人も同じである。
通常の会話は通じるのか、面白いことを言えば笑うのか。何も分からない。
彼女は20代後半くらいだろうか。ラフな格好をした少しキツそうなお姉さんで、特別美人というわけでもないが決して不細工でもないという形容が難しい人だった。ただ、私の想像するセラピストという人は、先日Relaxで出会ったような落ち着いていて物腰の柔らかい美人だったので、それとは違っていて少し残念に思った。
ワンルームの部屋には、ドカンと少し足の高いベッドが設置されていて壁に沿って一人用のソファーとガラスの机が置かれており、ドラッグストアに入ったときのような、そんな匂いがしている。殺風景な部屋だ。
私は緊張で震える手でセラピストから出されたお茶を飲みながら、アンケートのようなものを書かされる。
どのような方法でこの店を知ったか。
どのぐらいの頻度でマッサージに行くか。
といった具合である。
まるで変態をあぶり出すような尋問のようだ。間違った答えを書くと追い出されるのだろうか。順番に疲れている箇所などを記入していくと、最後に「私は誓って、あなたにいやらしいことをしません」という誓約が含まれていて、これに署名することになっていた。
これは至極当然のことである。いやらしいことはしてはいけない。そして、私たちは正しく生きなければいけない。
書き終わると、シャワーを浴びるように言われた。
最前私はこのサロンといやらしいことはしないと誓ったばかりではあったが、なんとなく重要な箇所を念入りに洗っておいた。
インターネットで学びを深めていた私は、何かこの業界の不文律、すなわち先程の約束を形骸化するような新たな合意が施術中に行われるのかもしれない、と考えていたのである。
ほら、風俗でも店外デートとか、本番とか、やったらあかんとされていることをすることはあるわけでしょう?それがおもろいわけでしょう?
シャワーの後、紙パンツを装着する。これは事前情報として文献で与えられていたものだ。
猛者ともなれば、この小さな空間からわざと下半身を露出させることもあるというが、当時の私にはその方法が分からなかった。
つまり、最初から露出させていた場合、セラピストから「お前ちゃんと履いてへんやん」と呼び笛を吹かれ「ピー!」という耳を劈く音の後、強面の男が現れタコ殴りにされる。というのは明らかで、露出のタイミングがイマイチ不明であった。だから、私はタコ殴りにされないようにちゃんと履いた。
しかし、なかなかいい年をしたおっさんがこのような紙パンツ1枚の格好で女性の前に立つのはなかなかの興奮である。
頭がぼう、として思考が不鮮明になっていくようだ。
傀儡と化した私がセラピストに指示されるがままベッドの上にうつ伏せになると、いよいよ施術が始まった。
確かこのときは90分のコースを選択したはずだ。
この業界では一連の流れを体験する場合は90分が概ねスタンダードとされているが、店によっては90分だと仰向け施術がない場合もあるので注意が必要である。
これは後に知ることになるが、うつ伏せにとんでもない技術を発揮するセラピストもいて、実際には体験してみないと、どのような時間配分が良いかは一概にはいえない。
最初から気になっていたが、彼女は少し言葉づかいが悪く大阪の飲み屋の姉ちゃんという感じで、確認はしていないが多分大阪の人だろう。今思うと、あまり雰囲気の良い人ではなかった。
ただ、以前も他の店でマッサージをやっていたというだけあって、彼女の技術は中々のものだった。普通にリラックスしていると、しばらくして俗にいうカエル足の体制の指示があり、オイルに濡れた手が鼠蹊部に入り込んできた。
その刹那「これか!」と思ったが、私の下半身は全く反応しない。
いわゆるキワが初めてだったので、その時はどの程度だったのかも判断できなかったが、思い返せばこのお店の平均値からすればまあまあだったような気がする。私は驚くほど緊張していたのだろう。情けないことである。
仰向けになった後も、紙パンツの中に少し手が入ってきたりして、鼠蹊部に何度も刺激があったがついに無反応で終了した。
唯一施術中に少しセラピストの胸が触れたときに若干の反応がみられたが、これではただの普通の人間である。伸るか反るか、二人きりの張り詰めた空間、その緊張感に興奮できなければエステジャンキーとはいえない。
このように、私のメンズエステ初体験は帰り道で「このド低能が!!!」と自分を戒めるほど酷い有様であった。
しかし、それから半年も経つと私は表現しがたいこの不思議な空間にすっかり取り憑かれていたのである。
セラピストが私をひと撫でするごとに身体は反応をみせ、息は荒くなる。
そして見上げるとセラピストの真剣な表情。
タオルの中の衝撃。
悶絶する快感。
ここに紡ぐのは、私がメンズエステというアンダーグラウンドで最高に面白い現場で体験した数々の記録である。
アンビバレンスの発見
このように、私のメンズエステは、現在では珍しくなったトラディショナルな健全店で始まった。
清楚、純潔なセラピスト。露出のないTシャツにゆったりとしたズボン。
その当時、少なくとも一部を除いて京都にはほぼこんなサロンしかなかった。
一方で、今では出会えないような健全オーラ溢れる魅力的なセラピストが沢山いたのである。
私はこのようなルーツを持っているから、今の風俗と融合した"メンエス"には馴染めない。
上記のイメージを引きずって、今も街を徘徊しているのである。
さて、メンズエステとは本来風流かつ知的な営みであると私は思っている。
しかしながら、映画を2倍速で観たり、またはあらすじまで確認してから観たり、といったとにかく失敗を回避して安全を確認してから取り組むというタイパ全盛の時代もあって、近年はメンズエステもインスタントさが求められているように感じている。
先ほど言った風俗と合体した"メンエス"がまさにそうだし、絶対抜き有ります的なHPB掲載店なんかもそうだなと思う。
1回目は我慢するけれども2回目にはもう抜きがないとあかん、みたいな風潮もどことなく感じる。
自分の記事の売れ行きを見ていても、HPB掲載のインスタントなサロンの売れ行きが良い。
回数を重ねてセラピストと信頼関係を築き、徐々にエロい合意を取っていくというこのプロセス自体を愉しむ風流な遊び方は倦厭されているようだ。
確かにこれは大失敗もある。5回、6回と通ったところで結局何も進展しないこともあるし、どこまでチャレンジするかという見極めも難しい。
そこで「自分はいけましたよ」みたいな記事なんかみたときには嫉妬や悔しさで頭が沸騰して止められんくなる。
この活動はガチャを回すようなもので、SSRを引くまでとにかく金銭を投入し続けなければならないが、誰も攻略していない(と思われる)難攻不落の健全セラピストと理想の体験ができたときの興奮たるや、何にも変えられるものではない。
それは本番がどうとか、手コキやフェラがどうだ、というものではなくて自分の性的趣向においての最高の体験のことである。それをセラピストとデザインするのだ。
今これを現代的現象という感じで説明しているけれども、こういう流れは昔にもあった。
私がメンズエステ通いを始めた頃は、大阪やらは知らんが京都ではメンズエステでの抜きはそうそうあるものではなく、私なんかは通い始めてから長期間何も起こらなかった。都市伝説ちゃうかと思ったくらいである。ようやく発射を経験したのは汚い中華マッサージだったし、日本人エステで初めて発射したのはまあまあのおばはんだった。
今ならHPB掲載かつガチ健全店を当てはめて考えるとよく分かると思うのだけれど、ただ待ってドキドキしていても向こうからアクションしてくれることなんてない。あったとすれば、それは健全店ではない。その辺の加減が私にもまだ分かっておらず、ほんでほら、私はネクラのコミュ障でしょう?加えてムッツリスケベの三重苦である。抜きに到達するのは結構ハードルが高かった。
だから私は先人から学び、工夫した。
昔でいえばアメブロというところで抜き自慢大会が行われていて、ここでアメンバーさん(絶滅)と体験談を交換することができた。
「そこはなんていう店なんですか?」と多くの人がコメントやメッセージする中、私はそんなところに注目するのではなく、黙って「この人はどのようにしてそれを達成したか?」というポイントに注目して読み、自分ならどうすれば良いか、ということを必死で考えた。私は前述したとおり、自己主張やら交渉やらが得意ではない。そこを自分なりに工夫する方法を考えた。そしてトライ&エラーで実践し続けたのだ。勿論失敗もたくさんしたが、一方で少しずつ結果も付いてきた。
ここはめちゃくちゃ大事だからボールドで表示したいくらいだ。しないけど。
要は上手い人から学ぶ、盗むという当たり前のことなんだけれど、こういうことをあまりしてない人が多いと感じる。これは昔も、今もそうだ。
勿論100%ではないのだが、というか確率はもっともっと低いけれども、こういうスキルを身に着けると、教えてもらった店ではなくて自分の気に入った店で事を起こすチャレンジができるのだ。「ある」「ない」ではなく、「自分にとってはある店にする」ということだ。じゃないと、あの店はある。あの店はない。という情報のフォロワーで終わってしまう。
皆が「ない」といっているような店でエロ体験ができたときの興奮たるや。この文字面だけで抜けるだろう。
なんて偉そうに言っても私だってそんな体験が沢山あるわけじゃない。なんたって健全店だから。健全店とはそういうものだ。私はザコなので、そういうサロンで事を起こせるのが1年に1回あったら良い方か。
基本はやっぱりガチャだ。ソシャゲと一緒。ガチャを回し続けるしかない。外れの中に当たりがあるからハマってしまうんだと思う。
話が逸れたけれど、やっぱりこういうことができない、あるいはおもんないと感じる人たちもいて「誰にでも抜きはあった方がええ」という流れがあったのだと思う。本来必要な攻略プロセスをすっとばして、結果だけを得たいというインスタントな心理を実現するようなエロに特化したサロンが少しずつ現れたかと思ったら、いつの間にかこちらの方がメインストリームとなったのである。
それと同じようなことが、今HPBでも起き始めているような印象を持っている。
私たちはこれから一体どこへ向かえば良いのか?
念のため言っておくと、そういう店があることは悪いことではないし、私だって行くこともある。趣味で遊んでるんだからそんなガチガチに自分を縛っているわけでもない。
あくまで私の初期衝動が健全店での攻略プロセスを愉しむことにあるということを言いたいだけだ。
じゃあ攻略するのが面白くて仕方がない私たちエステジャンキーが求める健全店とは一体どういったサロンなのか?
それはアンビバレンスという、私が最重要視するメンズエステの評価指標で説明が可能である。
私にとってのメンズエステの魅力は究極、健全性とエロの二律背反にある。
自分でいうのもなんだが、これは発明だと思うね。言語化できないメンズエステの魅力の数値化に成功したんだから。
かつて、ブログに例えばセラピストの容姿であるとか、技術であるとか、鼠蹊部の深さなどに点数をつけて評価する人たちがいた。これはレビューサイトなどで今も採用されている。私がアメンバーさん(絶滅)の仲間に入れてもらうためにアメブロに記事を書こうとしたとき、この指標に倣いたいと思ったが、何かメンズエステをメンズエステたらしめる重要な指標が抜けているように思えてならなかった。
というのも、前述の物差しだけで評価していくと、風俗エステが満点になる可能性がある。
じゃあ風俗行ったらええやんけ、ということになるため私は頭を悩ましたのである。
我々の中にあるこの風俗に行きたくない気持ち。あえてここにしかないものを求めてメンズエステに通うというこの言葉にできない感覚をあえて言語化するとすれば、エロくないけどエロい。エロいけどエロくない。この危ういバランスではないか、と私は考えた。
健全性とエロスというあり得ないものが確かに同時に存在している。
この二律背反する状態。これがアンビバレンスなのだ。
この指標の発明によって、私はメンズエステに対して正当な評価を下せるようになった。
すなわち、エロいけれどアンビバレンスは低い。逆に、エロくないけれどアンビバレンスは高い。このような評価が成立する。
エロ一辺倒ではエステの魅力は伝えられるものではない。
HPB掲載店が人気なのはアンビバレンスが高いからという説明が可能だし、最近のメンエスがおもんないのはアンビバレンスが極限まで地に落ちているからだ。
これは分かる人には分かる、分からん人には分からん風流の領域で、渓流釣りのネイティブトラウトと管理釣り堀のエリアトラウトの釣りの違いみたいなものだ。
どっちも釣りやけど、やっぱ渓流は装備も大変やしスキルも難しいね。でも苦労した分釣れたときの快感はやっぱ何ものにも代えがたい。ほんま最高やね。みたいな。
記事の方針
これまで言ったとおり、私は健全店での自分なりのエロ体験を一番求めているので、エステに投入できる金額のうちの大部分を健全店への訪問に費やしている。でも私も人間であり感情やコンディションというものがあるから、そのときの状態、具体的にはちんちんから指示が出た場合はメンエスに行くこともある。別にクリエイターとしてのブランディングとかも気にしてないから、HPB掲載店だろうが、メンエスだろうが行きたいときに行きたいとこにいく。なので訪問先やそれをもとにして書く記事のジャンルを限定することはない。
なぜワクストで書くかというと、アメンバーさんたちは絶滅してしまったし、Xでのメンエス界隈のやり取りは別世界で意味も分からず関わりたくないし、メンエスMEなどのレビューサイトはまさに「メンエス」限定で趣向が異なるし、ここに投稿される一部の記事にのみ私が求めてきた「メンズエステ」について本音で語られていたからだ。
ここに書けばたとえ少しであっても同志たちが読んでくれるだろう、と思った。
ほんでお金も得られるということで、最初は自分が購入する記事代にするつもりでいたが、一通り買い漁ると新たに買うものもそれほどなくなり、溢れたポイントがやがて口座に入ってくるようになった。そんなに沢山ではない。私はそれで投資信託を買うのである。
そう。本当はエステに行くお金で投資信託を買うのが一番良い。
でもそんな野暮なこと、真実をここで言ってはいけないのだ。
さて、私はめちゃくちゃええ体験、属人的に起こったと思われる体験については書かない。単純に言いたくないということもあるし、再現性という意味でも全く当てにならないからで、単なる「こんなんありましてん。ええでしょう?」という自慢話になるだけだろう。こんなもんを金を払って読まされても腹立つだけである。記事としては価値がないのである。なので、たとえどんなに高額であってもこのような体験を元にした記事を販売することはしない。そもそもこんなもんは書いたらあかんのである。
記事にするのは、属人的体験(と思われるもの)ではなく、誰にでも起こり得る再現性があるものだけである。ときには高い金を払った結果の失敗談も読者の役に立つだろう。
インターネットで相手の顔が見えないとはいえ記事を買ってくれるのはお客様であるから、きちんと価値のあるものを届けられるようにと日々努力している。
情報として価値があるというのは勿論、元々文章を書きたい、ドロドロした内面を叩きつけたい、という動機で始めたものだから面白くなるよう毎回相当の時間をかけて文章を一番頑張っているんだけれど、これを冗長に感じる人もいるだろうし、いつも心配なのだが、一人でも面白いと感じてくれる人がいてくれれば幸いである。
AIで書いた官能小説みたいな内容でもいくらかは売れるみたいだから、金銭のことを考えればこんなことをやっているのはアホでしかないが、エステに行くこと、攻略のプロセスを心から楽しむこと、文章を書くことが好きなのだから仕方ない。
文章をとにかく書き殴りたい私のスタイルを考えると、ワードプレスでブログを立ち上げた方が良いとも思うのだけれど、そこまでするのは面倒だし、とりあえず飽きるまではここにいる。
DMも拒否していないので、メッセージも気軽に送ってもらって構わない。購入して頂いた記事について質問などあれば答えられる範囲で回答もしている。ちなみに、こんな文章では返信しないから安心して欲しい。ただ、情報交換はあまり求めておらず、あまり私の方から提供できる内容はない。言えることは全部記事に書いている。言ってないことは取るに足らない内容か、言わないと決めていることかどちらかだ。そこはご了承頂きたい。
どうしてもニッチでアンダーグラウンドな分野なので、リアルで同志と会うことはなく、あーだこーだいうエステ談義も楽しいものである。
20年前に出会った、私の胸を高鳴らせた得体の知れない何かを、私は今も追い続けている。きっと死ぬまで追い続けるのだろう。タオルの中のあの衝撃を。悶絶する快感を。健全とエロが危ういバランスで同時に存在する、あの一瞬。
過日、私はコンクリート打ちっぱなしのワンルームマンション、そのオートロックの前に立っていた。
いつもと同じように、教えられた部屋番号を入力し、インターホンを押す。
来客を告げる電子音。そして、少しの静寂。
やがて自動ドアが開く。
少し息を整えて、私は足を踏み出した。
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